「芸能事務所」を立ち上げた九大生に迫る!

大学生活=授業、バイト、だけじゃない

自分の特技を仕事に変え、社会に届ける。そんな活動のサポートをするために立ち上がった九大生がいます。設立したのはその名も「九大芸能事務所」。先日開催された九州・大学発ベンチャー・ビジネスプランコンテストでそのビジネスプランや実績が評価され、九州経済産業局長賞(準グランプリ)を獲得しました。今回はこの九大芸能事務所設立の想いとこれまでの挑戦について、九大芸能事務所の小川さんにお伺いしました。

九大芸能事務所の皆さん

— 九大芸能事務所について教えてください

私たち九大芸能事務所ではいわゆる芸能プロダクション事業を行っています。九大の中で、学生が持っているアイデアに対して金銭面等での補助をしているプログラムが九州大学ロバート・ファン/アントレプレナーシップ・センター(以下QREC)にあります。2023年11月頃からQRECのプログラムに採択していただき、半年のテストマーケティングの後、2024年の春から事業化させて動いてきました。
事業として走り出してから、ビジネスとしての需要を強く感じていたので、実際どの程度私たちの事業が評価されるものなのか、というところで今回九州のビジネスプランコンテストに出してみて、評価をいただけたという形です。

— 事業をはじめたきっかけについて教えてください

九大芸能事務所の代表の強い思いがあって、はじまったものになります。大学に入ってからはコロナがちょうど流行し始めたくらいの時期でした。代表が当時所属していた部活や周りの友人たちを見ると、とても課外活動を頑張っている九大生が多くて。一方で、それでもコロナのためにそれを外部に披露する機会が激減してしまいました。やはり人に見てもらえることが活動のモチベーションになっている部分もあり、部を離れていくメンバーも多くなっていくのではないかと危機感を感じました。各団体でそういった事象が起こらないように、外に成果を披露できる機会を増やしていきたいと考えたところがまずきっかけの1つです。

また、実際に外部でパフォーマンス機会を獲得しようとなったときに、稀にではあるものの学生であることで足元を見られている場合があるなと感じます。例えば「交通費くらいなら出しますよ」という依頼だったり、報酬があるどころか、出演料を払って出演させてもらっている、という事例もあります。

先程も言った通り、課外活動に力を入れている九大生はたくさんいて、それに伴って技術も決して低くないものを身につけていますし、「お金を取った方がいいよ!」という評価をしてくださる方もたくさんいます。それくらいお金を発生させてもいいと思われているところにお金を発生させないのは、社会的な価値の損失だと思います。そこにしっかりとお金を発生させて、それで学生や課外活動団体の方で活動をより充実させて、もっといいパフォーマンスができるようになるかもしれない。そういう風に考えて、「九大の人材をどんどん外に出していく」かつ「九大生の活動に対してお金を発生させていく」という2点を主な目的として活動を始めました。

— 事業内容について教えてください

私たちが行うのは「依頼主と課外活動団体の仲介」及び「演者(学生)のショーマンシップ教育」です。

これまでも学生に対して出演依頼があって、サークルや課外活動団体がパフォーマンスをしにいく、ということはありましたが、基本的に学生やそれぞれの団体が独自に案件を取ってきたり、依頼を受けて各自でパフォーマンスをしにいく、という形でした。そこを私たちが間に入って、依頼の窓口の一本化を図ることで、大学としてもこれまで把握が難しかった学生の出張を簡単に把握ができるようになる、というのがメリットの1点目です。

加えて、九大には様々なサークルや部活動があります。依頼する側としては、いくつかの団体に依頼をしようとするとそれぞれの団体に連絡をしなければなりませんでしたが、私たちが間に入ることで、そのやり取りの回数を減らしつつ、様々な分野の団体を、プロを呼ぶより安く提供することができます。また学生側はこれまでより高い報酬を得られるようになります。これまで活動してきて、学生側には自分たちのパフォーマンスが価値あるものであるという意識が薄いなと感じます。実際に学生さんを派遣してお給料を頂いたときに、私たちは稼働時間がほぼ変わらないまま、多いと従来の10倍近い報酬を出せることもあります。自分たちのパフォーマンスでお客さんがすごく満足してお金を払ってくれる、このことに学生たちが自信を持っていけるように変えていきたいなと感じています。

また、イベントでのステージパフォーマンスは実際のパフォーマンスだけでなく、会場を沸かせたり、目線の意識やマイクパフォーマンスなど、単に普段練習しているパフォーマンスだけでなく、様々な要素が観客の満足度に関係してきます。こういった普段練習するパフォーマンス以外のショーマンシップの部分はなかなか意識していない学生が多くて。これはしょうがないことではあるんですが、実際にお金を頂くとなったときに、そういった部分のクオリティも大切になってきます。そこについても私たちの方で指導をしたり、演目を組む際に補助をしたりといったサポートを通して、パフォーマンス全体のクオリティを高めていくことができていると感じます。

派遣したイベントの様子

— 今後の九大芸能事務所の展望を教えてください

今後はまず依頼いただける数を増やしていきたいなと考えています。ただここに関しては限界があるなと私たちは考えています。基本的に派遣しているパフォーマーは専業ではなくて、基本的に本業は学業ですので、稼働できる日数に限りがあります。派遣という形でスト、基本的には土日が多くて、平日に派遣というのがかなり難しいです。そうなると他のプロでやっていらっしゃる競合と比べると稼働できる時間が7分の2になってしまいます。

そのため、今後やっていきたいと考えているのが、私たちのビジネスモデルを確立させて、他大学で支部を作って私たちの活動を広げていきたいなと考えています。学生の課外活動に対価を支払うという価値感を、全国に広げていきたいなと考えています。

— 中高生や九大生に向けてメッセージをお願いします

九大生って自分のことを過小評価しがちな学生が多い印象です。一方で、努力を惜しまない学生を多く見てきました。そこは社会にもっと知られてほしいし、認められてほしいなと感じています。今後自分たちは九州大学の学生のいいところを世に発信できるような活動で、なおかつそこに対してお金が生まれればもっといいなというところで活動をしていければと思っていますので、これを見て、もっと頑張ろうかなって思ってくれる学生さんがいたらいいなと思っています。

取材協力
生物資源環境科学府(取材時)
小川 竜矢さん
九大芸能事務所の受賞歴

九州大学 ロバート・ファン/アントレプレナーシップ・センター アイデアバトル 2023 2nd 採択
九州大学 ロバート・ファン/アントレプレナーシップ・センター チャレンジ&クリエイション 2024 総長賞
「第24回九州・大学発ベンチャー・ビジネスプランコンテスト」九州経済産業局長賞(準グランプリ)
「Kyoto大学生グローバルベンチャーコンテスト2024」本戦進出
「第11回 九州Business Design & Action Award 2024-2025」ビジネス部門ビジネスグランプリ(社会人部門グランプリ)
「第11回 Business Design & Action Award 2024-2025」ビジネス部門中小企業賞(社会人部門特別賞)