【表記ゆれの謎】案内板からたどる伊都キャンパス探訪記

先日オープンキャンパスでたくさんの中高生が伊都キャンパスを訪れているのを見て、私も初めて伊都キャンパスに来た時のことを思い出しました。
これだけ広いキャンパスだと絶対迷子になりますよね。
そんなときに欠かせないものといえば、、、案内板です。

 

日本一広いというこの伊都キャンパスでは、至るところにキャンパスマップをはじめとする案内板が張り巡らされています。
今回はそんな「案内板」だけに着目しながらキャンパスを散歩してみました!

 

東の果てからスタート!

今回出発する地は東側の端部にあたる東ゲートです。(厳密にはこれより東に伊都ブランチなんかもありますが…)

▲東ゲートからスタート。左の余白が気になる銘板

 

早速お出迎えされるのは「九州大学」と書かれた銘板。センターゾーンの中心にあるものが有名ですが、実はほかのゲートにもあるんですね。
こちらの銘板は3ブロック構成ですが「九州大学」の文字は右2つに収まっています。なんでこの長さにしちゃったんでしょう。
あとこの筆跡はセンターゾーンのものと同じなのでしょうか?まさかそれぞれ違う書下ろし??

 

そんなことを考えながらスタスタ歩いていると…緑の案内板が!

▲緑案内板。青案内板との違いはその建物自身を指しているか否か?

 

このタイプの案内板もよく見かけます。これと似たようなパターンで青地のものも見かけますが、そちらは方向を指し示すものではなく、その建物の前で「○○号館」と表示されているタイプな気がします。

 

しばらく進んでイースト1号館へ到着。入居する部局を示すやや細かい案内板がありました。

▲部局を示す案内板

 

九大の研究組織は学部生が在籍する「学部」、大学院生が在籍する「学府」、教員が在籍する「研究院」と3種類ありますが、それぞれ英語呼称も異なるようですね。初めて知りました。
・学部 = School
・学府 = Graduate School
・研究院 = Faculty
だそうです。各小分類である学科・専攻・部門はいずれもDepartmentのようですね。

 

「イースト1号館」を示す案内板もあります。
建物を示す案内板は前述の「青地タイプ」とこちらのような「石碑タイプ」があります。
イースト1号館2号館はぱっと見渡したところ「石碑タイプ」しかないようですね。

▲「石碑タイプ」の建物看板

 

隣接する食堂「ビッグスカイ」は「青地タイプ」でした。
スカイの名称と相まってとても良いですね。

▲「青地タイプ」の建物看板

 

イースト1号館の前にはキャンパス案内図(マップ)もあります。こちらは最近更新されたもので、色覚の多様性に配慮し多くの方が視認しやすいカラーリングとなっています。
地図には建物だけでなく古墳や城跡などの情報も!伊都キャンパスならではですね。

▲色覚配慮のキャンパスマップ

▲裏側は更新前の色味だった

裏面は更新前のものがそのまま残っていました。比較してみると更新前の方がややビビットな色合いに感じます。

 

また、付近の地面にてこんなものが。

▲現在地を指し示すタイル。案外至るところにあります

 

このタイルはキャンパスモール(学部棟全体にわたって整備されている回遊歩道)にて、ちらほらと設置されており、白枠のキャンパス全体の中で現在地がどこなのかが赤十字線で示されています。
普段歩いていても何気に気づいてない方も多いのでは?センターやウエストゾーンにもあるので、ぜひ足元を探してみてください。

 

センターゾーンへ向かう途中にも…

さてセンターゾーンに向かおうとしたときに気になったのがこちら。

▲中央図書館と椎木講堂の方向を示す案内板

 

何気ない緑案内板です。しかし実際の位置関係を考えると、中央図書館は地面と垂直に立つ案内板を見たまんまの左下方向に階段を降りた先にあり、対して椎木講堂は案内板を地面に見立てたときの左上、すなわち実際の視覚からは左奥にあります。つまり、両者の矢印は3次元空間では全然違う平面に存在しているのです。
このねじれの位置の関係にある矢印を同一平面上に落とし込んでいるところに妙技を感じました。

 

階段を降りて図書館の横を通ると…どうやら「防災センター」なる組織があるようです。

▲中央図書館1階に入居する「防災センター」

 

気になったのはその英語呼称。”Disaster Control Center”ってControlできないからDisasterなんじゃないの!?Preventionとかのがしっくりこないか??なんて思って軽く調べてみたのですが
予防・事前防災といった意味合いでは確かにPreventionなんですが、実際に災害が起きた後の非常用設備の作動、館内放送、避難誘導といった統制・応急対応という意味ではControlが適切というのを見てすぐに納得しました。

 

中央図書館を横目に対岸の壁には、大きなウォールアートが見えてきます。

▲図書館横のバリアフリーアート

 

こちらは九大バリアフリーアートプロジェクトの一環で展示されているもので、障害に対する相互理解の環境づくりを目的として市民や企業の寄付をもとにキャンパス内の各所に障害者アートが展示されています。
よく目にする場としてはキャンパス内のバス停です。この近くの九大中央図書館停留所にもこのような作品がありました。その他にも多くのバス停に異なる作品が展示されています。

▲バス停のバリアフリーアート

 

少し道を外れて椎木講堂方面へ。こちらにも緑案内板がありますが、イーストの表記にどことなく違和感がありませんか?またしても英字の部分です。先ほどの石碑タイプのイースト1号館看板と見比べてみてください。

▲ローマ数字のⅠⅡが登場

 

違和感の正体は…
・East “Zone”がない
・数字がローマ数字
の2点です。日本語表記では何ら変わりないのに英語表記にはこうした軽微な表記ゆれがありますね。この違いはこの先も注視していきましょう。

 

さらに、横にあるフジイギャラリー。案内板ではFujii gallery、入口横の表記はFujii Galleryと大文字小文字の微妙な違いがありました。(画像ではわかりづらいですが、、)

▲手前のgalleryは小文字、奥のGalleryは大文字

 

ついにセンターゾーンへ!

看板求めて、普段行くことのないセンター4号館へ。
学生にとってはあまり馴染みのない場所です。もし学生証をなくしたりすると再発行の手数料をこちらへ払いに来たりするらしいです。あとは留学課があったり。

 

案内板もありました。青地タイプ、Zoneあり、算用数字です。

▲センター4号館の案内板

 

交差点付近のキャンパスマップは早くから色覚配慮型の案内板になっており、先ほどイーストゾーンで見かけた最近更新されたものともやや異なる色調です。

▲色覚配慮Ver.初期型は明るい色調

 

交差点を渡るとお馴染みのあの銘板があります。よく学生たちは石碑と呼んでいますが、大学としては銘板という呼称が正しいはずです。

▲パンフレット等で使われがち九州大学銘板

 

先ほど撮った東ゲートの銘板と見比べると…筆跡同じですね!
この筆跡は書道家の柿沼康二氏が書いたものです。ドラマの題字なんかでも有名な方です。

 

先に続くキャンパスモールを歩くと、現在地を示すタイルのほかに、謎の線が描かれたタイルが。

▲他キャンパスの方向を示すタイル

 

実はこのタイル、九大の伊都以外のキャンパスがある方向を示しているのです。すこし赤みがかったタイルもこのラインに応じて配置されており、新キャンパスである伊都にいながら他キャンパスにも思いを馳せることができます。
ちなみに設置されている5種類は箱崎、病院、六本松、大橋、筑紫キャンパスの5つです。もし名称を隠して出題されたら、筑紫キャンパスは当てられる自信がありますが、箱崎と病院、六本松と大橋はそれぞれ見分けるのが困難でしょう。

 

建物看板に目を向けると、センター2号館の案内板は石碑タイプ、Zoneあり、算用数字でした。
加えて気になったのが、2行目英字表記が左揃えになっている点です。向かい合うセンター1号館も全く同じ形式でした。

▲左揃えのCenter Zone 2

 

これまで見てきたものは石碑タイプも青地タイプもすべて中央揃えでした。ここも新たな視点に加えましょう。
ここからは○○号館の案内板は「タイプ」「Zoneの有無」「英字表記の数字」「文字列の配置」の4点で見比べていきます。

 

主に生協施設が入るビッグさんどでは青地タイプでした。薄くて見づらいですが英字表記の”&”が独特なフォントをしています。これ学部1年生で初めて見たときはちょっと困惑しました。

▲ビッグさんど。英字表記の&の形が独特

 

いざウエストゾーンへ!

理学部のウエスト1号館に来ました。こちらには建物看板が2種類ありました。

▲石碑タイプのウエスト1号館看板

▲青地タイプのウエスト1号館看板

 

「石碑タイプ」「Zoneあり」「算用数字」「中央揃え」と
「青地タイプ」「Zoneあり」「ローマ数字」「中央揃え」でした。ローマ数字も神出鬼没ですね。設置時期なんかも関係あるのでしょうかね。
ざっくり竣工順に分けると工学部→センターゾーン→理学部→イースト&農学部という感じです。

 

さて理系図書館まで来ました。ここの入り口案内板はあまり見かけないタイプですね。

▲伊都図書館の頃からあったのだろうか

 

形としては青地タイプと似ていますが材質が金属っぽいのと英語のほかに中国語・韓国語表記まであります。建物外の案内板でここまで多言語表示しているのはあまり見ないような気がします。
ちなみに理系図書館は当初は「伊都図書館」として開館したので、この看板は名称変更後に作り替えたのでしょうか。

 

その奥の情報基盤研究開発センター棟では、3つの案内板が並んでいました。

▲3連は珍しい

 

これまで見たものは「建物名」が看板になっていましたが、これは「組織名」がそれぞれ表示されているので同じ建物に3つもついています。これも珍しい気がします。

 

混迷を極める工学部!?

工学部に来ました。工学部はウエスト2号館~4号館と研究棟だけでも多いですが、総合学習プラザや西講義棟など講義室専用の建物もあり、規模の大きい学部です。

ウエスト2号館へやってくるとこちらにも石碑タイプ、青地タイプ両方ありました。ところが、どちらも違った特徴が…

▲ここで初出の単語”Building”

▲青地タイプの左揃えは初出でした

 

「石碑タイプ」「Zone “Building”あり」「算用数字」「中央揃え」
「青地タイプ」「Zoneあり」「算用数字」「左揃え」の2つです。
ここにきて新たに「Building」という単語が登場しました。確かに○号館を訳すとしたらBuilding ○になりますよね。さらに、これまで出てきた左寄せはいずれも石碑タイプだったので、青地タイプでも左寄せは初出でした。

 

そのまま3号館方面に進むと、さらに混迷化してきました。

▲まさかの2棟複合

▲青地でBuildingあり

▲一見普通だが…(つづく)

▲よく見ると薄く”Building Ⅲ”の痕跡が

 

いずれも青地タイプでありながら、
「Zoneあり、2・3号館複合」「算用数字」「左揃え」
「Zone Building」「ローマ数字」「中央揃え」
「Zoneあり(かつBuilding+ローマ数字の痕跡あり)」「算用数字」「左揃え」
と数々のバリエーションを見せられました。3つ目については2つ目と同様に作られたものが後から書き直されているようです。日当たりの良い場所なので褪せて修復される過程で変更されたのでしょうか。

 

次いでお隣のウエスト4号館では、

▲石碑+Buildingは2号館とおそろい

▲青地+左揃えも2号館とおそろい

 

「石碑タイプ」「Zone “Building”あり」「算用数字」「中央揃え」
「青地タイプ」「Zoneあり」「算用数字」「左揃え」の2つというウエスト2号館と全く同じ組み合わせでした。

 

続いて学部棟の西端、農学部へ移動するわけですが、ここには以前から気になっていたものがあります。

いずれも食堂と生協売店のある「ビッグどら」の記載がありますが、建物看板と農学部側にある緑看板で英字表記がDORAとDraで異なるんです。独特なフォントの&も緑看板では健在です。
これは私自身かなり前から見つけていて、本企画の発端にもなったポイントです。
おそらく設置時期が10年以上違うと思うので、その過程でのミス?なのでしょう。

そして最後に農学部のウエスト5号館です。見つけた2か所どちらも
「青地タイプ」「Zoneあり」「算用数字」「中央揃え」でした。
工学部の混迷加減を見た後だと、なんか味気ないですね笑

 

限りなき旅路

農学部を超えても南ゲート方面に行けば附属農場や実験棟、北ゲート方面にも実験棟のほか、パブリック○号館とか課外活動施設等々、まだまだ個性的な建物は色々あります。それらの案内板・看板も気になるところですが…
今回は学部棟に絞ってここで終えることにしました。また機会があれば案内板探索したいですね。

ところで、今回この記事を書くにあたって九大のバリアフリーへの取り組み等を調べているとそれらを司る専門の組織があることを知りました。
実は伊都キャンパスでは、「らくちんラボ(旧キャンパスバリアフリー検討研究会)」という組織をはじめ、学生の視点からキャンパスライフをサポートする「ピアサポーター」のみなさんなどが中心となって、だれもが快適に過ごせるキャンパスづくりを推進してきたのだそうです。

今回紹介した色覚配慮型のキャンパスマップや、ふと目にするバリアフリーアートも、そうした先進的な取り組みの一環だったんですね。

ただ広いだけじゃなく、実は足元や看板の端々にまでこだわりが詰まっている伊都キャンパス。毎日何気なく通り過ぎている景色も、ちょっと視点を変えてみるだけで新しい発見だらけで大変感動しました。

みなさんもぜひいつもとは違った視点をもって伊都キャンパスをじっくり探訪してみてください!