こんにちは!広報課学生スタッフです。
5月11日の開学記念日に合わせて、開学記念学内施設公開が行われました。
今回はその中でもスーパーコンピューター玄界と超高圧電子顕微鏡の見学の様子をお届けします!
スーパーコンピューター「玄界」に潜入!
まず初めに訪れたのがスーパーコンピューター玄界です。こちらは理系図書館に隣接する、情報基盤研究開発センター棟にあります。

理系図書館にはよく行きますが、こちらの建物に入るのは初めてでした。
まずは受付のため2階へ。玄界についての簡単な説明ののち、地下1階へ見学に向かいました。
いざ入ってみると、結構うるさい!空冷のためのファン等が常時稼働しており、普段の会話の声量じゃ聞き取れないくらいの騒音でした。
そして思ったよりもコンパクト!室内は何もない空間も目立ちます。

現行の玄界は2024年に導入された機種で、それまではITOという名前のスパコンが設置されていました。
性能の向上により小型化し、圧迫感のない配置になったようです。
ちなみに「玄界」という名称は公募によって決まったもので、名称案は500件を超える応募があったのだとか。
それでは、まずは内蔵されているノードの説明です。
玄界では3グループのノードがあり、CPUのみを積んだノードグループA、CPUとGPUを積んだノードグループB、より多くのGPUやメモリを搭載したノードグループCに分けられ、それぞれに適した形で水冷装置が組まれています。

続いて実際の躯体を見せていただきました。
空冷ファン付きの分厚い扉を開けると・・・

中には配線がびっしり張り巡らされています。よく見ると、右側は冷却水、左側は電源やネットワーク配線といった具合に分けられています。手を近づけてみると少し温かい。
冷却効率のため、水冷は1つ1つで閉じた回路で熱のやり取りをしたり、何列かに並ぶラックが温風の列と冷風の列で互い違い(同じ面が向かい合う形)の配置になっていたりと工夫が見られます。

床下には冷却水の配管もあります。

続いてストレージです。ストレージは55.2ペタバイトのHDDと0.7ペタバイトのSSDで構成されます。ペタバイト!?って感じですが1PB=1,000TB(テラバイト)です。九大の学生教職員が利用できるOneDriveが大学全体で約610TBであることを考えると、この規模感恐ろしいですね。。。

4つ並んだ厚いのがHDD(画像左)、間にある比較的薄いのがSSD(画像右)です。
そしてこの室内は常に温度と湿度が管理されています。
こちらの空調設備で調整し、室内での表示のほか、遠隔でも常時モニタリングされています。
また、非常時でも急に停止しないよう予備電源が用意されているなど、かなり万全の体制が整っていました。

私たちの想像をはるかに超えるデータ容量と、それを支える徹底した管理体制。一見コンパクトにも見える部屋の中には、最先端の研究を支えるための「凄み」がぎっしりと詰まっていました。ふだん何気なく通り過ぎていた建物の中に、こんな世界が広がっていたとは驚きです。
玄界は全国共同利用施設として、学内外を問わず研究等への利用が可能です。ソフトウェア講習会などのイベントも実施しているようですので、詳細は下記のリンクからご確認ください。
https://www.cc.kyushu-u.ac.jp/scp/
スパコンの圧倒的なスケールに大興奮したところで、続いてはいよいよもう一つの目玉、「超高圧電子顕微鏡」の見学へと向かいます!
超高圧電子顕微鏡を見学!
続いて訪れたのが、もう一つの目玉である「超高圧電子顕微鏡」です。 こちらはウエストゾーンのCE20超顕微解析研究センター内にあります。

そもそも「電子顕微鏡」についてご存じでしょうか。
通常の顕微鏡(光学顕微鏡)は光(可視光)を当ててレンズで拡大するため、光の波長よりも小さなものは見ることができません。一方、電子顕微鏡は光の代わりに「電子の波(電子線)」を当てて観察します。電子の波長は光よりも圧倒的に短いため、一般的な顕微鏡では絶対に見えない、原子や分子のレベルといった超ミクロの世界まで鮮明に捉えることができる装置です。
そんな電子顕微鏡のなかでも、九大にあるのは「超高圧」と名のつく特別なもの。
期待を胸に部屋に入ってみると・・・

とにかくデカい!!
顕微鏡と聞いてイメージする卓上サイズとはワケが違い、なんと3階建てのビルに匹敵するほどの巨大な構造物が出迎えてくれました。上を見上げると、巨大なタンクのような設備が2つ並んでおり、圧倒的なスケール感です。
この2つの大きな塊は「HTタンク(高電圧発生装置)」とのこと。最大加速電圧は1300kVという、これまた桁違いのパワーです。電子顕微鏡は電圧が高ければ高いほど、電子を強く加速させて分厚い試料をも通り抜けさせることができます。この凄まじい電圧のおかげで、物質の内部構造をより深く、超高精細にのぞき見ることができるのだそうです。
実際に試料(観察するもの)をセットする「試料着脱口」の近くまで見せていただきました。
これほどまでに巨大な装置ですが、扱う世界はナノメートル単位の超ミクロ。そのため、心臓部にあたるレンズやコイルなどの精密部品は、ショーケースにズラリと並んでいるものを見ても分かる通り、どれも極めて精巧に作られています。

さらに、これだけ巨大で精密な装置の大敵となるのが「振動」です。
床下をのぞき込ませてもらうと、装置の土台は床から独立した深いダンパーの中に据えられていました。人が歩く振動や、外を走る車、室内の気流などわずかな揺れすらも装置に影響が出てしまうため、それらをシャットアウトするための徹底的な工夫に、ここでも九大の最先端研究を支える技術の凄みを実感しました。室内の空調も空気の流れが生じない専用のシステムになっています。

実験室のデスクの上には、試料をセットするためのホルダーなども置かれておりました。用途に応じて温度変化や真空引きするなど様々な条件で測定が可能です。

最後には全体像を上からも見学させていただきました。

研究で利用する機会がなければお目にかかれない施設。どちらの施設も、圧倒的なスケール感とそれをコントロールする緻密な管理体制が印象的で、九大が誇る「研究力」の基盤を肌で感じることができました。普段の学生生活ではなかなかお目にかかれない裏側の世界を覗くことができ、満足の開学記念日でした!